いよいよ火葬当日になってしまいました。
5月16日と17日の2日間を、チロルは我が家の定位置で眠っていて。
もう少ししたら、いつものように目を覚ますんじゃないかと思ったりもしたけれど。
そこまでの奇跡は起こりませんでした。
お別れの支度をしなくちゃね。
祭壇用の写真も選ばなきゃ。
ここ1年弱は、寝ているのが当たり前だったけど。
写真をたくさん見ていると…
笑っている顔
困っている顔
凛々しい顔
穏やかな顔
幸せそうな顔
お間抜けな顔
いろんな表情のチロルがいました。
その瞬間瞬間で
私たちは確実に
とんでもなく幸せだったんだなぁ
そんな過ぎた日々が
ありがたくて
愛しくて
涙が出ました。
葬儀場の担当者の方から
『少量のドライフードや好きだったオヤツ、写真などをご持参していただければ、一緒に持たせてあげれますよ。』
と案内がありました。
食いしん坊のチロル、オヤツは必須です。
紙袋に入れて持参すればOKとのこと。
紙袋かぁ…
なんかお出かけっぽくないなぁ。
若いころは、お出かけするときにオヤツをたくさん詰めた黄色いヒヨコのリュックを背負って、ご機嫌で歩いていた彼女。
新しい世界にお出かけするのだからね。
リュックの代わりにミニバックを下げていこう。
山岳救助犬が、首からぶら下げているラム酒入りの『樽』のイメージです。
手縫いでチクチク…
首に結べるように長い紐を取り付けたら完成。
ミニバックには、
・家族旅行の写真
・チロルと繋がっていた愛用のリード
・好きなオヤツのベスト3
を入れました。
鶏肉ジャーキー、ドライアップル、大好きな干しイモのオヤツを作りました。
それから、庭のジューンベリーの木陰がお気に入りだったから、ジューンベリーの枝も持って行こう。
バラはまだ蕾だけど、蕾がたくさんついたバラも持って行って。
そちらの世界で満開に咲かせたらいいよ。
お花屋さんで色とりどりのお花も用意したし。
体の一部になっていた腹巻きは、手編みの赤いのを巻いて。
レディーだもの、頭には赤いリボンでおめかしもしよう。
うん、完璧、完璧。
散歩から帰った後、ウェットシートで綺麗にしていた両手と両足を拭き拭きする作業。
今日は家に戻るために綺麗にするのではなくて、お別れのための作業となりました。
そして、最後に水を含んだガーゼで口の周りを丁寧に拭いて。
これで本当にお別れ。
撫でたときの柔らかい被毛の感触
散歩の後の太陽の匂いがするオデコ
ナイショ話をしたときの耳の匂い
香ばしい肉球の香りも
ずっとずっと忘れない
DNAの記憶に刻んでおくから。
じゃあね
また逢おうね