動物病院で実施される血液検査。
いろいろな項目があるけれど、その検査の意義は?
人と同じ検査項目の数々。
日々の仕事で見慣れているものばかり。
検査をして気になった項目をすぐに調べられるように、今後のため少しずつまとめておこうと思います。
せっかく(人の)医療機関で働いていたのだから、こういう時に役立てないと。
人の場合の適応疾患なので、犬の場合は違うこともあるかもしれませんが、参考までに。
どんな病気の指標として実施されているか、どんな病気が疑われるか・・・
などです。
目次
AST 検査の意義
AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)は、生体内のあらゆる組織に存在。
α-アミノ酸の除去・分解の第一段階を担(にな)っている。
肝臓のほか、心臓、骨格筋に多く存在している。
これらの臓器障害で血液中に逸脱してくるため、肝機能検査のほか心筋・骨格筋障害など多くの疾患の診断に用いられる。
疑われる病気は?
疾患一覧
- 急性・慢性肝炎
- 劇症肝炎
- ウイルス性肝炎
- アルコール性肝炎
- 薬物性肝炎
- 中毒性肝炎
- 脂肪肝
- 肝硬変症
- 肝腫瘍
- 胆石症
- 閉塞性黄疸
- 肝癌
疾患一覧
- 心筋梗塞
- 心不全
- 急性冠症候群
- 進行性筋ジストロフィー
- 皮膚筋炎
- 悪性腫瘍
- 溶血性貧血
肝機能だけではないAST
上の表からも分かるとおり、ASTは肝臓系の疾患の他、心臓や癌、自己免疫系疾患でも数値が上がることが考えられます。
我が家のキナリの場合は、
❶「僧帽弁閉鎖不全症」のよる心不全の評価
❷「肝機能」の評価
この2つのデータが欲しかったので…
心臓、肝臓とも該当するため、ASTは高値であることがあらかじめ予想できたので、前回の検査でははずしました。
❶「僧帽弁閉鎖不全症」については、NT-proBNPに加え心臓の超音波(エコー)検査
❷「肝機能」については、ALT・γ-GTに加え腹部の超音波(エコー)検査
これらの数値を見て、現在の状態を把握する指標としています。