2022年1月20日(木)
かかりつけの動物病院の午後の診療開始時間を待っている間、最後のブログを更新しました。
この時はまだ、今夜が最後の夜になるとは思っていませんでした。
病院を受診して、癌の疼痛コントロールについて相談し、吐き気止めの注射をして。
帰宅してからは、やっと吐き気もおさまってスヤスヤと眠っていました。
気持ち良さそうな寝顔を見ながら、少し安心しました。
「前日は一晩中、吐いていたからきっと睡眠不足で眠いだろうな。
目が覚めたらお腹がすいたっていうかな?
お腹にやさしいご飯でも作っておこう。」
そんなことを考えながら、台所でキナリのご飯を作っていました。
ご飯ができても起きる気配がなく、隣に座って寝顔を見ていました。
22:30くらいから呼吸が少し早くなり
頭を撫でると、うっすら目を開けたので
「ご飯食べる?」と聞いてみる。
反応があったように感じたので、ご飯を口元に持って行ったけれど食べず。
大好きなバニラアイスなら食べるだろうか?
鼻先にバニラアイスを持って行くと、少し鼻がクンクンと動きました。
口の中にバニラアイスを入れたけれど、飲み込むことはしませんでした。
昨日はハンバーグを1個バクバクと完食したのに…
体をからっぽにして、旅立つ準備をしているように見えました。
そして24:00
体が硬直し、今度はけいれんが始まりました。
熱も上がっていたのか。
癌の痛みによるものなのかは分からないけれど。
両手と両足を伸ばして、背中や頚も硬直して反っていく小さな体。
見ているのは本当にツラくて苦しかった。
この痛みを全部自分が代わってあげられたら。
3:00くらいまで、この状態は続きました。
キナリはもう十分頑張ったから早く楽にしてあげて下さい。
神様と、今は亡きチロルに、ずっと祈り続けました。
けいれんがおさまると、もう名前を呼んでも反応はなく。
昏睡状態になりました。
呼吸は規則正しいリズムを刻んでいたけれど、浅く弱くなっていました。
そして…
2022年1月21日(金)
5:22AM 規則正しいリズムを刻んでいた呼吸が止まりました。
5:23AM 静かに心臓も、その動きを止めました。
炎症性乳がん(炎症性乳腺癌)と共生した
キナリが穏やかに虹の向こうへ出発した瞬間でした。
13歳と1ヶ月26日
4686日の犬生でした。
数日前に立てなくなったけれど、昨日までは食欲もあったのに。
病院に行った時も意識はしっかりしていたのに。
最後はパタパタとあっという間の出来事。
火葬まで一緒に居た数日間のこと。
火葬が終わった後のこと。
書き留めておきたいことはたくさんあるのに。
1年以上経っても、まだ心の奥に悲しみが残っています。
思い出すと辛くて、独りになった家は静か過ぎて
何をしたら良いのか分からなくなる時もあるけれど。
いろいろな犬やその家族との出逢いに救われながら、
なんとか一歩ずつ歩き始める事ができるようになりました。
腎不全と共生したチロル
心臓病と癌と共生したキナリ
彼女たちが教えてくれたこと
彼女たちから学んだこと
ずいぶん時間が経ってしまったけど、また少しずつ書いていこう。
今は元気なパートナーも
シニアになったパートナーも
闘病中のパートナーも
それを見守る家族にも
チロルとキナリが教えてくれたことを綴っていこう。