「腎臓は一度悪くなると修復できない臓器」、仕事の時に良く聞いていたフレーズでした。
我が家の場合も、16歳のチロルが慢性腎臓病(腎不全)と診断された時、先生からは「慢性の腎臓病は治ることはないので、これ以上進行しないように管理していくことになります。」と、今後の治療についてのお話がありました。
人の場合とほぼ同じです。
まして、2018年7月に腎不全と診断されて、9月の始めには尿毒症の症状が出現して、もう末期なの?!とかなり動揺しました。
目次
「治らない」ということへの恐怖
2018年7月~9月の約3ヶ月間は、治ることがないという不安と恐怖で散々な日々。
朝起きた時に、真っ先にするのが生きているのかを確認すること。
お腹が動いて呼吸をしていることが確認できたら、一安心。
今日も1日無事に過ごすことができますように。
そんなことを思って過ごしていました。
良くなることはない=これからは悪くなる一方なのだから。
「治らない」とは、結局は統計のこと
一般的に、慢性腎臓病の場合は腎機能が改善されて良くなることはないと言われています。
検査数値がこれくらいで、こういう症状があるならステージ2とか。
このくらいの数値で、こういう症状も出てきたらステージ3とか。
そしてステージ2なら、このような治療が効果的で、ステージ3ならこういう治療の方が効果があったというような・・・
そんな臨床のデータを参考に、治療のガイドラインというのが出来ていくわけで。
つまり、そういう「ケースが多い」ということなだけ。
治らないという「ケースが多い」だけ。
犬はエネルギーがすべて
今年で10歳になるシェルティ:きなりが小さかったころ。
ちょうどテレビで「カリスマドッグトレーナー」という番組が放送されていて、毎回録画をして何度も見ていました。
なるほど・・・と思って実践して参考にした部分もありました。
すべてのトレーニング方法に賛同はできないけれど、今でも思い出す言葉があります。
- 犬(動物)は自然の存在
- 犬は今この瞬間を生きている
- 犬(動物)はエネルギーがすべて
私自身が好きな、薬膳やアーユルヴェーダ、ヨガにも通じる考え方。
とてもしっくりくる言葉です。
捉え方を変えてみる
不安や恐怖を感じていると、そのエネルギーを犬は感じているように思うことがあります。
犬(動物)はエネルギーがすべて
本当にそうだな・・・と感じます。
だから、まずは自分自身が不安や恐怖を感じないようにトレーニングをしよう。
思考の回路をチェンジしてみよう。
そんな風に考えるようになりました。
統計上では「治らない」ことが多いかもしれないけれど、実は知らないだけで機能改善したケースもあるのかもしれない。
実はこれは、自分が患者さんに対して良く話していたこと。
「余命何ヶ月というのは、ただのデータで統計のこと。その統計が全てじゃなくて、まだまだ発見されていない体の機能ってたくさんあるんだ!!」
知らなかったことを知るだけでも不安は小さくなる
慢性腎臓病(腎不全)に関しては、普段の仕事の中で関わることはあったけれど、詳しいことは何も知りませんでした。
知らないことなので、余計に不安になって「余命」なんていうワードにもひっかかったり。
どうせ調べるなら、「良くならない」部分をクローズアップして情報を取り入れるのではなく、「調子が良さそう、復活、改善」というような内容をクローズアップして情報を取り入れていきたい。
今は勉強の真っ最中というところ。
慢性腎臓病(腎不全)の場合で、私が気を配りたいと考えている合併症。
- 高血圧症
- 心不全
- 高窒素血症(尿毒症)
- 高窒素血症に伴う食欲不振・嘔吐・消化器潰瘍
- 二次性副甲状腺機能亢進症
- 代謝性アシドーシス+高カリウム血症(不整脈)
- 腎性貧血
人の場合を参考にしたのですが、動物病院の先生に聞いてみたところ、犬の場合も同じような合併症とのことでした。
まずは、慢性腎臓病(腎不全)の場合の合併症のことを1つ知りました。
これらの病気にも配慮しながら、食事や投薬の管理をしよう。
薬のことも知りたいのに・・・
食事については、たくさんの情報があって取り入れやすいと思いました。
ただ、動物病院で処方してもらう薬についての情報がない・・・と感じました。
動物用医薬品として承認されている薬(例:フォルテコール)は、人の処方薬には同じ商品名のものはありません。
また、人体用医薬品として承認されている薬(例:ウルソ、ガスター)など、人の医療機関で処方される薬と同じものが処方されることも始めて知りました。
先生に聞くと、人の医療機関での処方薬も結構使いますよとのこと。
それならば私の得意とするところ。
知りたいけれど、情報が少ない薬のこと。
愛犬に飲ませる薬について、不安に思うこともあるかと思います。
良く耳にする「ジェネリック医薬品」の存在も、さらに分かりにくい原因かもしれないと思いました。
そこで、今後は我が家の16歳のシェルティー:チロルの処方について、お薬のことも書いていこうと思っています。
その薬は、体の中でどんな風に働いてくれるのか?
どんな風に代謝されて、体の外に出て行くのか?
(薬物代謝は肝臓だけではなく、腎臓の場合もあるんです。)
そういう知らなかった事を知るだけで、不安を1つ減らせるから。
安心して飲ませてあげられるものなら、きっとそのエネルギーは伝わって、犬も安心して服用してくれるんじゃないかな。
そんな風に考えています。