点滴を止めた腎不全の犬が自分から飲むようになった「水」のはなし
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腎不全の場合、治療の1つに「輸液(点滴)」があります。

輸液(点滴)の目的は、輸液製剤協議会によると、

輸液製剤は、生命維持に不可欠な「からだの恒常性の維持」のため、体液の代謝異常(水分・電解質・酸塩基平衡の異常、栄養障害等)の正常化、あるいは体液の代謝異常を未然に防ぐこと、また抗生物質などの医薬品の溶解・希釈を目的とした医薬品で、最も基礎的かつ重要な薬剤であるといえます。

輸液製剤協議会

となっています。

腎不全で腎機能が低下するというとこは、ここでいう「体液の代謝異常」の状態。

そのため治療のベースとなっていることは理解できるのですが、我が家では現在も輸液(点滴)を中止しています。

 

目次

点滴を中止した経緯

我が家の16歳のチロル(シェルティー:11kg)の場合、「皮下点滴200ccをできれば毎日、無理ならば最低でも1日おき」と言われ、2018年9月までは何とか自宅で実施していました。

ただ、だいぶ点滴が嫌いなようで、点滴をするたびに血液検査のデータは少しずつ良くなるけれど、本人の生気が無くなっていくように感じていました。

 

この頃は、ご飯もほとんど食べないし、水も自分から飲んでくれないし。

無理強いをすることなく、好きな食べたいものを食べて楽しく余生を過ごさせたい、でも尿毒症の苦しい状態にはしたくない。

でも、点滴をすればするほど「気」が無くなっているように感じてしまう。

 

点滴をすれば尿毒症の症状が若干改善されて、食欲も出てくるはず。

点滴をすることで気力が減ってしまい、生きる力が無くなってしまうから食べることもできなくなる。

矛盾した自分の考えの中で、どうしたら良いのか全く分かりませんでした。

 

そしてある日、ふっと「点滴をしない方が改善する。」という根拠のない思い・・・というか確信のようなものが頭から離れなくなり、先生に相談して点滴を中止しました。

先生は「現在の状態の場合、できればこのまま自宅での点滴は続けてあげてほしいけれど、家族の方がそれで良いのなら。」と私たちの気持ちを尊重してくれました。

根拠がないので先生にもうまく説明できなかったけれど、点滴をしない選択をしたので脱水にならないように注意点をアドバイスしてくれました。

 

水分補給で試したこと

自分から水を飲んでくれないので、シリンジで少量の水を頻繁に飲ませていました。

手作りご飯はスープ多めで、スープの中に食事が浮いている感じ。

トイレに起きてきて薄い色のオシッコを大量にしたら、また水分補給。

普通の水は飲まなくて、水素水や赤ちゃん用のミネラルゼロの水も試しました。

水素水は我が家のチロルは好みではなかったけれど、赤ちゃん用のミネラルゼロの水はたまに飲むことはありました。

後は、水道水のみでは飲まないのでいろいろなものを混ぜてみました。

 

  • ヨーグルト
  • りんごのすりおろし
  • つぶしたイチゴ
  • みかんの果肉
  • かつお節
  • チキンスープ
  • バニラアイス

 

その時の気分で飲んだり飲まなかったりと、とてもムラがあって苦労しました。

 

犬の飲水療法

「水」についていろいろと調べているときに、犬の飲水療法についてかかれているサイトに偶然たどり着きました。

犬の飲水療法について~犬に水をいかにして飲んでもらうか?飲ませるか?~

 

これを読んで、「嚥下機能がしっかりしているうちは自分の口から水を飲むことが自然なこと」という自分の中での方針のようなものが決まったように思います。

最後の方に、いかに工夫すれば犬に水をよく飲んでもらえるか?その30の方法とは?という、具体的な30個の方法があります。

 

すでに実行していることもあったけれど、

この中で興味深いと思ったのが、

11.常温ではなくぬるま湯を与える

27.白湯にして与えると飲むことがある

の2つ。

私が飲んでいるアーユルヴェーダの白湯を犬に与えたら良いのかもしれない。

 

アーユルヴェーダ式の犬用白湯の作り方

白湯はアーユルヴェーダでいう3つの要素がバランス良く含まれている飲み物とされています。

  • ヴァータ(風)
  • ピッタ(火)
  • カファ(水)

 

この白湯は、デトックス(解毒)効果や代謝アップの効果を期待して飲んでいます。

朝起きたての体の中に何もない状態で飲むことで、体の中に残った不要なものを掃除してくれる。

血行促進やリンパの流れが良くなって寒い朝も体の内側から温かくなる。

 

水を沸かすだけなので簡単です。

白湯の作り方
    1. ①換気扇を回したら、鍋に水を入れて強火にかける。
      ②沸騰したら大きな泡がポコポコ立つくらいの火加減にする。
      ③10~15分その状態で沸かし続ける。
      ④そのまま置いて飲める程度の温度になるまで冷ます。
      ⑤すするように少しずつ時間をかけて飲む。

犬用のするときは、④で冷ます時間を長くします。

体温より上げない方が良いようですので、ずいぶんぬるくなってから器に入れています。

 

犬が自分から飲み始めた「白湯」

とりあえず、綺麗に洗った器にぬるま湯になった「白湯」を入れておきました。

すると・・・

あれだけ水分摂取に苦労したチロルが、自ら器の前に歩いて行って白湯を飲み始めました。

それもすごい勢いで。

ムラがあるので朝だけかもなと思っていたけれど、夕方も飲む。

夜の起きたときも飲む。

次の日も。

そして次の日も・・・

 

換気扇を回して沸騰させてガスの火で沸かした水。

風の要素

火の要素

水の要素

3つの自然のエネルギーがバランス良く含まれた水。

 

犬は自然の生き物。

そういうことなんだと改めて痛感した出来事です。

 

ぬるい白湯を始めた年末からは水分摂取で苦労することがなくなりました。

手作り食もスープ多めにすることもなくなりました。

するとご飯の後には、自分で白湯を飲みに行っています。

水道水を飲みなれた犬の場合は、白湯と水道水を混ぜても良いかなと思いました。

 

脱水しないように、水分補給については随分悩みました。

しかし、当の犬は水を飲んで欲しいのに飲まない。

どんなに効果のある薬を内服しても、脱水の状態では薬もキチンと作用できないものです。

水を飲みたがらない病気の犬がいたら、飲水療法のアイディアを参考に工夫してみるというのも一つの方法。

その子なりの「ピッタリの水の飲み方」っていうのが、きっとあるんだろうなと思います。

 

やっとチロルに合った解決方法が見つかってホッとしています。

 

 

 

 

 

 

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